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【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)

第6章 ※恋愛のカタチ



急に、四天王の顔になる椿さん。
チームの事となると切り替えが早い。


『わかりました…』

関係のない人間を巻き込んでしまったことは、風鈴にとってやっぱり大きな問題なんだ…

あんなに簡単に捕まって、私にも責任がある。

『…というか…誕生日会…
あのっ…本当に大丈夫です。嬉しいんですが…皆さんのお手を煩わせたくないです…』

目を瞑り、精一杯頭を下げる。


自分の為に会を…?
皆さんの労力をかけて…?
さっき、出し物とか言ってた気がする。
当日だけでも申し訳ないのに、その上出し物なんて練習もしなければいけないのでは…?

私にそんな価値…

『お願いします、ホントに…止めてください…』

「沙良…」

椿さんの低い声にビクリと震えた。

「…本気で手を煩わせてるとか思ってるなら、随分なんじゃない?」

『…っ……』

怒りを含んだ声に驚き、顔を上げる。
椿さんは、そっと私の肩に手を乗せた。

「アンタはもう、私達の大事な仲間よ。
仲間の誕生日を祝おうって事が、手を煩わされる事になるの?
例えばアンタ、ことはの誕生日を祝うの、面倒くさい?」

『…っ……』

思い切り首を振った。

「アンタはさっき、嬉しいって言ってくれた。
嬉しいならさ…」

大きな手が頭をなでる。

「素直に任せなさいよ。さいっこーの16歳にしたげるから。」

椿さんはピースサインをし、ウインクしてくれた。
涙が溢れた。

『はい……ありがとう…ございます…』

「もー、誰よー…沙良泣かした奴…」

「椿でしょ、てか椿も泣いてるし。」

「何よ…目から出る水よ水。
そうと決まれば晴竜、沙良のコーデとメイク担当だからね。わかってると思うけど、メチャメチャ可愛くしなさいよ。」

「はいよ。沙良ちゃん、メイク映えすると思うから今から楽しみだ。衣装はしずかちゃんのとか、借りれるかな…」

いつもお洒落な晴竜さんに顔を覗き込まれる。

「さてと…今から打ち合わせしたいから…
桜!蘇枋と楡井も。沙良の事、家まで送って。」

「はぁ!?何で俺らが…」

「わかりました。」

「勿論です!」


多聞衆1年の級長と副級長に声がかかり、3人は私を家まで送ってくれる事になった。
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