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依々恋々 -Another story-

第37章 FRIENDS


自分でもできるかな、と見上げてくるジウ。

「はぁあ」
深くため息をついて目元を手で覆う。

「素人に手、入れられるのは嫌よね」
この子も作り手さんも、と棚に戻されかけたぬいぐるみを掴み上げ、ジウの手を引く。
会計で包装を断ると、ルフィとウタを残して店を出た。
二人が、と言うジウを連れて、店の脇の細い通路に入ると、状況が掴めずに狼狽えるジウを建物の陰に追いやった。
「しゃ、シャン、どうしたの?」
クマを抱き込んで怯えた顔のジウを腕で壁際に封じ、半ば強引に口づける。

「ん、ゃんっふ、シャン、クスッん」
クマを落とさまいと、片手で肩を押してくるジウにキスを続ける。
押し返していた手が、そっと肩を撫でて少し荒いキスを繰り返す頬をざらり、と撫でた。
ちぅ、と下唇を吸って甘噛みする。

ぷつ、と切れた銀の糸。

「怒ってるの?」
不安げに見上げてくるジウの肩に額をつける。
「怒ってねぇ」
「機嫌悪い?」
「悪くねぇ」
「お腹空いた?」
「空いてない」
「煙草、吸いたくなった?」
ルフィやウタの前では喫煙しないようにしているし、ジウといる時も、ほとんど吸わなくなっていた。
今朝から一本も吸っていないシャンクスを心配そうに見やる。

「ジウが...ぇ」
「うん?」
ゆっくりと顔を上げたシャンクスを見上げるジウ。
「ジウが、足りねぇ」
ぬいぐるみごと、ギュッと抱きすくめられる。

「ウタとルフィが帰ったら、抱き潰すからな」
「はひっ?!」
ビクンッ、と怯えたジウの首筋ですぅ、と深く香りを吸い込む。それだけでも少し疼くカラダ。
「溺れてんなぁ」
「え?ぁあの、手加減は、してね...?」
「無理だ」
「っそんなぁ!」

私、なにかした?と腕の中で不安げに眉尻を下げるジウ。
細い腰を抱き寄せて名前を呼ぶと、ん?と見上げてきた赤の唇に唇を重ねると、温かな小さな手で頬を撫でてくれた。

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