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依々恋々 -Another story-

第37章 FRIENDS


アトラクションや屋台のような軽食の店。
季節のテーマでまとめられたグッズの店などを巡っていく。

「マキノさんにお土産買おうっ!」
「あっ、俺はエースとサボと...じいちゃんにも」

お菓子に衣類。
アクセサリーやステーショナリーなど豊富な種類のお土産品が並ぶ店内。
小物やお菓子など、あれこれと籠に入れ込んでいく。

籠いっぱいのお土産を持ってきたルフィとウタが、あんなのがあったこんなのがあったと騒ぐので、店の脇で最低限のものだけを選ばせた。

「あれ?シャンは?」
会計を待つ列に並び、目立つ姿を探す。
商品棚の一角を見つめているシャンクスを見つけた。
少し下を向いている目線に、何を見ているのかはわからない。
何か気になるものがあったのかな、とその横顔を見つめていると、ふ、と笑った。
(、かっこいい)
微笑んでいる顔に見惚れていると、トン、と肩を叩かれた。
「あの、お子さん、先行っちゃってますけど...」
「へっ?あ、すいませんっ」
レジからポカリと空いた空間に驚き、慌てて先に進む。

どうしたの?と見上げるウタに、何でもない、と首を横に振る。
(「恋人に見惚れてボーッとしてました」なんて言えないや)
しっかりしなきゃ、と頷き、大きな袋に詰められたお土産をかわりに受け取る。

混み合う店から出ると、シャンクスもすぐに出てきた。
「ジウ」
ちょっと来い、と呼ばれる。
その手のひらに収まるサイズの化粧箱。
綺麗に整えられたリボンを解くと、開かれた台座には赤い石とピンクの宝石のチョーカー。
「これ、」
「どちらも、3月の誕生石だそうだ」
3月はアクアマリンじゃ、と彼を見上げる。

「こっちが珊瑚で、ピンクのはモルガナイト。『ピンクアクアマリン』とも言われるそうだ」
赤が映える黒いベルベットのチョーカーを、化粧箱から取り出す。
「あっ」
「動くなよ。髪、絡まっちまう」
抱き合うような距離感に俯く顔を手で包まれ、上を向く。
「ほら、」
シャンクスの指差す方を向くと、ガラス窓に映る姿を見る。
「よく似合う」

ジウの白い首に掛けられたチョーカー。
後ろで満足そうに笑うシャンクスと目が合って振り向く。

「ありがとう」
ああ、と絡め取られた手を握り返した。
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