第4章 6つのお題から自由に選択
それから変な術式?を持っているらしい私は定期的に五条さんに会って呪いとやらを祓ってもらっている。
「君の術式は簡単に言うとダイソ……いや、溜め込むだけ溜め込むゴーストバスターズが近いかな〜」
「え、私、掃除機なんですか」
「まぁそんなとこ。吸い込んだものを排出できないみたいだけどね」
未だに理解できないのだが、私が行く先々で呪いを吸引して持ち帰り、ある程度まとまった状態で五条さんが祓うと五条さんの出張が減って効率がいいらしい。
……得してるの、五条さんだけなのでは?
ちなみに私が出張先を知らせると「じゃあついでにここ行ってきて」と指示されることもある。
大抵ちょっと不気味なトンネルだったり、橋だったり、廃墟だったりだ。
その見返り……なのかは分からないが、五条さんと会う時はいつもご馳走になっている。
今回は普段なら絶対に手を出すのを躊躇うお高めのケーキ。
一気に食べてしまうのがもったいなくてちびちびと口に運んでいる私とは違い、五条さんは2個目、3個目をペロリと平らげている。信じられない。
「あのさぁ、こんなデカくなってるのに何にも感じないの?頭の上にいるでしょ、中々の大物が」
彼の指差す先、真上を見上げてもカフェの天井があるだけ。
「?、何もないんですけど」
「マジで見えないんだ。鈍感ってある意味幸せなのかもね〜」
相変わらず五条さんの言っていることはよく分からない。
というか、ずっと目隠ししているあなたの方が何も見えないよね。