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合同リレー作品集【鬼滅・呪術・ヒロアカ・WB】

第4章 6つのお題から自由に選択



この日、五条はとある駅に来ていた。


「窓の報告によると、この駅の利用者に強力な呪霊が取り憑いているようです。その呪霊の影響かどうかは不明ですが、一昨日の夜、この路線で人身事故が発生しています」


普通ならこんな案件が五条に回ってくることはないが、異常なのはその呪霊が加速度的に大きくなっている点、加えて確かに呪霊で間違いないのだが、見た目が明らかにおかしいという。

前例のない事態ということでお鉢が回ってきたのだ。


「こんな所に強力な呪霊ねぇ……」


都心から離れたローカル線の小さな駅。
朝夕は通勤通学で混み合うようだが、その時間から外れると一気に利用客は減る。

別に謂れのある場所でもないため、ここを利用する客に強力な呪霊が取り憑いているというのは少し考えにくい事態だった。

現に五条が駅構内をひと回りしても、呪霊はどこにもいない。


……どこにもいない?

それはそれで妙だ。


そこそこ人が集まり、魔除けの呪物もない場所なら大抵低級呪霊の2,3体はいる。
全くいないということがない訳でもないが、結構レアケースだろう。

そんなことを思っていると、ホームに列車が到着し、帰宅する人が続々と降りてきた。

その中の1人に報告に該当しそうな人間を見つける。


「……あれかな」



確かに窓の報告通り、その人物の背後には異様な呪霊がいる。

一言で表すなら歪な形の大きな団子。
手足はなく、大小複数の目には涙を滲ませて、力で無理やり丸め込まれているような印象だ。

形のみならず呪力も1体の呪霊とは思えない程、多様に入り乱れている。

“取り憑いている”とは異なる状況だ。


しかも当の本人は背後の呪霊に全く気づいていない。
あの大きさ、あの呪力量の呪霊が背後にいれば、呪霊の見えない非術師でも体調を崩しかねないのだが……


念のため呪詛師が関与している可能性も考慮して、この場では声をかけないでおいた。



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