第7章 穢れた血に壁の文字【秘密の部屋】
こうして私は今夜、ロックハートのファンレターの返事を書く手伝いをすることが決定した。
だが助かったのはその手伝いは私だけではなく、ハリーもファンレターの返事を書く手伝いをするということ。
「私までする必要はあるのかしら……」
「可哀想なアリアネ。よりによって苦手な人の手伝いをさせられるなんて。でも僕も可哀想だよ。フィルチと2人っきりでトロフィーを磨くんだから」
「僕も可哀想だよ、ロン」
夕食ではそう言い合い、ハーマイオニー以外全員が肩を落とす。
そしてあっという間にロックハートの手伝いをすることになる時刻の20時が迫っていた。
私とハリーは肩を落とながらも、3階の廊下を歩いてロックハートの部屋を目指していた。
「なんで僕を指名するんだよ……」
「それは私の台詞でもあるわ……」
「アリアネと僕が、ロックハートに何をしたって言うんだ……!」
「何もしてはいないけど、変に名前が知られているせいかもしれないわね……」
そしてついに、私たちはロックハートの部屋の前にたどり着いた。
ハリーと共にため息を吐き出しながら、部屋をノックすると直ぐに扉が開き、満面の笑顔のロックハートが現れる。
「おや、いたずら坊主とお嬢様のお出ましだ!入りなさい、ハリー、アリアネ。さあ中へ」
壁に入ってから私はげんなりとしてから息を吐き出す。
壁には沢山の額に入ったロックハートの写真が並んでいて、サイン入りのものもいくつもある。
机にはもう1つ山のようにあり、積み上げられたいた。
「封筒に宛名を書かせてあげましょう!」
「……遠慮したい」
「何か言ったかね?アリアネ」
「いえ、何も。早くやりましょう、早く終わらせましょう」
「早く終わらせたい感が凄いよ、アリアネ」
こうしてハリーと私は、ロックハートのファンレターの宛名書きをさせられる事となった。
もう私たちは何千枚という手紙に宛名を書いている気がするし、時間もかなり経過していると思う。
早く帰りたい、早く帰らせて欲しい。
そう思いながら私は住所を書いてから、息を小さく吐き出していた。
(ああ、早く帰りたい。早く終わらせて帰りたいわ……)
ロックハートはずっと自慢話をしいてい、耳栓もしたいぐらいだ。
その時、隣に座っていたハリーが突然大声で叫び出す。