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イケメン戦国《私だけを囲うひと》

第8章 恋仲になりまして




「……嫌じゃ、ないです」

小さく答えると、

「なら、いい」

すぐに距離が戻る。
さっきよりも、ずっと近く。
逃がさないように。

今度は、頬ではなく——
髪に、指が触れた。

「……っ」

そっと、撫でるように。
乱さないように、けれど確かめるように。

優しい。
思っていたよりも、ずっと。

「緊張しすぎだ」

「だ、だって…」

「力を抜け」

そう言いながら、
今度は背中に手が回る。
軽く、引き寄せられる。

「……っ」

距離が、なくなる。
息がかかるほど近くて、
視線を逸らしたくなるのに、
逸らせない。

「少しは慣れたか?」

「……わかりません」

「正直だな」

くすりと笑われた。
その声が、やけに近くて。

「なら、もう少しだ」

「え…」

次の瞬間。
そっと、額が触れた。

「……っ」

驚いて目を見開くと、
すぐ近くで、視線が合う。
逃げ場なんて、どこにもない。

「これでも、嫌ではないな?」

囁くように問われて、
小さく頷いた。

「……はい」

「そうか」

満足そうに、目が細められる。
そのまま——
距離が、わずかに縮まる。
触れそうで、触れない。
まるで焦らすよう…

でも、さっきとは違う。






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