第7章 囚われのお姫様
「…そりゃ哀しいな、死ね。」
「死ぬのはそっちだ蒼炎。
おまえの体、さっきから焦げ臭いんだよ。
相手の異能を見極めるのは基本中の基本。
その爛れて剥がれ落ちそうや皮膚…
おまえ、長くは戦えないんだろ。
己の炎に身を焼かれるから。」
荼毘の継ぎはぎからジジ…と皮膚が焼けるように煙がたっている様子を見て言う外典。
「(この広域攻撃…味方も巻き添えにしてねェか⁉︎
とにかくあの氷男…あいつだけ規格外すぎる!
マキアにぶつけるにゃもってこいだが…。
それよりも俺は早くタワーに向かって
ちゃんを助けねェと…!!
こんな所で足止めくらってる
場合じゃねェ!!)」
氷攻撃で溶けた大量のトゥワイスに埋もれながら身を捩りながら脱出を試みるコンプレス。
溶けたトゥワイスから出れたところで、コートに付いた泥を払うと異能解放戦士たちの攻撃を軽々と交わしながら、お得意の逃げ足で颯爽とタワーを目指して走り出す。
その頃。
この状況をモニターで見て聞いていたドクターはポチ、とあるスイッチを押す。
「狡い事を考えるからじゃ…。
ここで死なれてもオールフォーワンに悪い。
ホレ、主の後継が寝不足の中頑張っとるぞ。
“ マキア ”」
ドクターがスイッチを押したと同時に山中で眠っていたマキアが目覚めると死柄木の匂いを求めて泥花市へと飛び立ったのだった。
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ドドーーーーンッッ!!!!
「死柄木…おまえ、大丈夫か!?」
「…おまえは?待ってた方が良かったか?」
異能解放戦士が放つ異能攻撃を交わしながらお互いの安否を案じるスピナーと死柄木。
「この街に来なけりゃ通報されて
大量のヒーローたちに追われてた。
どっち選んでもピンチだったろーよ。」
「…そうなんだよな。ハメやがって…。
見ろよ、スピナー。タワーが近いぜ。
人も多くなってきた…」
ゾロゾロとあらゆる建物から解放軍が出てきて数では圧倒的に不利な死柄木とスピナーが絶体絶命寸前のところで……