• テキストサイズ

《赤井夢》Happiness{R18}

第56章 返事 ✴︎


side 安室



「はぁ…やっぱりフラれたな…」



告白する前から分かりきっていたことなのに
直接はっきり言葉で伝えられるのはなかなかキツかった。



気分が沈んだままポアロに向かって歩き
店に戻ってくると梓さんが僕に近づいてきた。



「あ、おかえりなさい安室さん。
若山先生との話は終わったんですか?」

「ええ、まぁ…
僕の休憩時間はもう終わるので、梓さんも休んできて下さい。」

「はーい。じゃあお店の方、よろしくお願いしますね。」



梓さんを見送り
今は店内にお客さんは1人もいない。

もうすぐランチの時間だから
食材の仕込みをしようと思い、包丁とまな板を出した。



トントントントン…



ランチのナポリタンに使う玉ねぎを
一定のリズムで薄切りにしている時
僕に料理を教えてくれた幼馴染の顔が頭の中に思い浮かんだ。



…そういえば、ヒロが料理を好きになったキッカケを
警察学校にいた頃、同期のみんなと聞いた事があったな。


本名は諸伏景光…


僕と同じように例の組織に潜入捜査していたが
組織に公安だとバレて自決した男…。

彼を見殺しにしたのはあの男……赤井秀一だ。



「…。」


今は奴の事を考えるのはやめよう…

忘れる事が出来ないほど憎い男だが
今あいつの顔を思い出すと、美緒さんの顔まで浮かんできて気分が沈む。



玉ねぎを切り終えて
他の野菜やソーセージなどの食材を切りながら
僕は警察学校の同期のみんなと話していた事を思い返した。




ーーー…





/ 762ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp