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《赤井夢》Happiness{R18}

第56章 返事 ✴︎






「それ以上……美緒に触れるな。」

『っ、え……あ、かいさん…!?なんで…』

「ふっ…やはり来たんですね?
絶対来るだろうとは思っていましたが。」



突然現れた赤井さんに驚いていると
安室さんは私の手を離してくれて…


赤井さんは私の事を背に隠し、安室さんを睨みつけていた。




「君がこいつを想うのは勝手だが…
俺の女に気安く触れるな。」

「相変わらず嫉妬の塊ですね。
そんなんじゃいつか美緒さんに愛想を尽かされますよ?」

「美緒はそんな事で愛想を尽かすような女じゃない。
…見縊るな。」



2人の間にはバチバチと火花が散っているような感じで
どうすればいいのか戸惑っていると
安室さんが大きなため息をついていた。



「そろそろポアロに戻らなければならない時間なので引きますが…先程美緒さんにも伝えさせてもらいました…隙があれば、奪いに行くと。」


「望むところだ。奪えるものなら…奪ってみろ。」

『っ…』



自信満々にそう答えた赤井さんがカッコ良すぎて
後ろから横顔をジッと見ていると
安室さんは私達の元から立ち去って行き
赤井さんは私の方へと体を向けた。



『す、素顔で外に出たらだめでしょ!』

「ちゃんと変装しているだろう、問題ない。」



変装って…
サングラスにキャップ被ってるだけじゃん!
声もそのままだし!!



『誰かに見られる前に早く出ないと…!』

「…待て、美緒。」

『もう!話なら後…で…ッ…!』



赤井さんの腕を引っ張って歩き出そうとしたら
逆に私の腕を赤井さんに引っ張られていて…

私の体は、強い力で抱き締められていた。




「…嬉しかった。」

『っ、え…?』

「お前が…安室くんの口から俺の過去を聞きたくないと言ってくれて……とても嬉しく思った。」

『!?き、聞いてたの!?』



一体いつから話を聞いていたんだろう…

恥ずかしすぎる…!!




「だが、あの男の口を手で塞いだのは感心しないな。」

『あ…ごめん…なさい…』

「家に帰ったらたっぷりお仕置きだ。」

『…!?』


お仕置き、という言葉を聞きパッと離れたけど
私が逃げないように手を繋がされて…


赤井さんは私の手を握りしめたまま、駐車場の出口に向かって歩き出した。


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