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《赤井夢》Happiness{R18}

第56章 返事 ✴︎




「では梓さん、少し外に出ますけど
休憩が終わるまでには戻りますから。」

「はーい!ごゆっくり〜」



…なんか榎本さん、面白がってるように見えるのは気のせい?


安室さんはニコニコしながらお店のドアを開けて外へ出て、私も榎本さんに頭を下げた後、跡を追ってポアロを出た。


安室さんの後ろを黙ってついていくと
近くの駐車場に入り、そこは人気がなく
以前見た事がある安室さんの車が止まっている場所にやってきた。





「…車に乗って話しますか?」

『いえ…外でいいです…』





安室さんを疑ってるわけじゃないけど
車の狭い密室じゃ何かされても逃げ場がないから…





「ふっ…美緒さんは分かりやすいですね?
心配しなくても何もしませんよ。」

『!!べ、別に何も心配してないですよ!』




…やっぱり意地悪だな、この人。
警戒しておくに越した事はない。





「それで?話したい事があるんですよね?」

『あ…はい…』






いざこの前の告白を断るとなると
何も言葉が出てこなくて…




安室さんを傷付けてしまう気がして言い淀んでいると
彼は小さくため息をついていた。






「変な気遣いなどいりませんよ。
言いたい事があるならハッキリ言ってくれて構いません。」

『っ…』





安室さんが真剣な目でそう言っていたから
私は…私の素直な気持ちを伝えようと思い、口を開いた。








『この前の告白のお返事ですけど…
ごめんなさい…。安室さんの気持ちには答えられません。
私には…とても大事にしたいと思う人がいるから…
これから先もあの人と…ずっと一緒にいたいんです。』







安室さんと同じように
私もまっすぐに彼の瞳を見つめて気持ちを伝えた。


安室さんの気持ちは素直に嬉しかったし
安室さんのファンからしたら勿体無い!って思われるかもしれないけど、私が好きなのは…赤井さんただ1人だけだから。







「そんなこと…分かってますよ。」

『へ…?』

「あなたは僕に特別な感情など抱いていない…
そんなのずっと前から分かっています。」

『っ、そう…ですよね…』






じゃあなんで告白なんてしたの…?


不思議に思っていると、安室さんは私の元に一歩を足を進めていた。




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