第54章 放心

「そういえば…世良真純さん、でしたっけ？
彼女は来なかったんですね。」


世良さん、って…確か赤井さんの妹だよね？

蘭ちゃん達にわざわざ聞くって事は
赤井さん…世良さんに会いたかったのかな…？



蘭「世良ちゃんも一応誘ったんだけど
なんかまたホテルを引っ越すからバタバタしてるみたいで…」

「ではその世良さんの周りに
変わった人とか見かけませんでしたか？」

園・蘭「「変わった人…？」」


「そう、例えば…絶えず周囲を警戒し
危険な相手なら瞬時に制圧する能力に長けた
"浅香"という名の……まぁ、そう名乗ってはいないでしょうけど。」


コ「『……。』」



浅香って……誰？


ひょっとして…例の組織に関係ある人なの…？



園「えー？昴さんは若山先生より
その浅香って人が気になってるんですか〜？」




ちょっと園子ちゃん…！？
昴さんはそういう意味で聞いたんじゃないと思うよ！？




「ははっ、まさか。
僕は美緒さん一筋ですよ。」

『なっ！！ちょっと昴さん！？何言ってるの！？』

「本当のことしか言っていませんが…」

『〜〜ッ、もう！恥ずかしいからやめて！！』




蘭ちゃんと園子ちゃんは昴さんの言葉を聞いて
2人して顔を赤くしながらニヤついているし
江戸川くんもため息ついてるし…！！


それに昴さんもきっと
心の中では恥ずかしがってる私の事を笑ってるに決まってる…
この人意地悪だから。




蘭「やっぱり若山先生と昴さんって
すっごくラブラブなんですね！とってもお似合いです！」

『え…？蘭ちゃん、本当に？
私と昴さんってお似合いに見える？』

蘭「はい！なんか2人だけの世界があるって感じがしますし
お互いに想い合ってるのが伝わってきます。」




…嘘でしょ！？
私達ってそんなに分かりやすいの！？

は、恥ずかしすぎる……

外ではもう少し気をつけないといけないかも…