第50章 同行
「あら美緒、あなたも一緒だったのね。」
『こんにちは、ジョディさん。』
運転席の窓から顔を出したジョディさんは
私と挨拶をした後、昴さんに顔を向けた。
「シュウ、急に呼び出して一体なんの用なの?」
「ああ…
グローブボックスから俺のタブレットを出してくれ、
美緒、先に車に乗って少し待っててくれないか?」
『あ、はい…分かりました。』
ジョディさんからタブレットを受け取った昴さんは
キーボードをタップしてアルファベットをいくつか打ち込んでいるようで…私は言われた通りに車の助手席に乗り込んだ。
「シュウってば、一体何を調べるのかしら。」
タブレットに入力した文字を見つめている昴さんは
すごく真剣な表情で…
仕事をしている所を見た時はいつも思うけど
その真剣な表情もカッコ良すぎるんだよね…
「そういえば美緒。
この前悩んでいた事は解決したの?」
『へっ…!?あ、あれは……はい…解決しました…』
…十分過ぎるほどにね。
酔ってた時に抱かれた記憶はないけど
その翌日は一日中ベットで過ごして、何度体を重ねたのか分からないくらいだから……
今でもあの日の事を思い出すと
火が出そうなくらい顔が火照る。
「ふふっ、良かったわね?美緒。」
『〜〜っ…』
ニヤつきながら私を見るジョディさん…
恥ずかしくて何も言えないままでいると
赤井さんが車の後部座席に乗り込んできていた。
「悪い、待たせたな。」
「で?何を調べていたの?」
「詳細は後ほどメールで送る、工藤邸まで送ってくれ。」
「はいはい、分かったわよ。」
そう言いながらジョディさんは車を発進させたけど…
『あのー赤井さん、さっき高木刑事さんから
事件の事情聴取を受けて欲しいって頼まれていませんでしたっけ?
帰っちゃっていいんですか?』
「事情聴取はボウヤと博士に頼んでおいた、問題ない。」
いつの間に…!?
江戸川くんに文句言われたりしないのかな…