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《赤井夢》Happiness{R18}

第50章 同行



「では仙波さん、ボディーチェックを受け中に入った後
どうされたんでしたか?」

「だから…樋山が出迎えるのを待ってたんだが
全然来ねぇ勝手に上がって…」

「いや、あなたは出迎えてくれた樋山さんにこう言ったはずです……"トイレを貸して欲しい"…と。」




…なんで昴さん、そんな事が分かるの!?




「もちろん、生理現象を催したわけじゃなく
……凶器を回収するために。」


「「『えぇ…!?!?』」」




私を含め、その場にいた全員が驚いた声を発していると
江戸川くんに促されてトイレへと移動した。



そのトイレは遺体発見場所のお風呂場の向かいにあり
昴さんは中に入ると、トイレの壁の下側に付いている小窓を開け、そこから手を伸ばすと
彼の手の中には先程の蜂蜜入りカプセルが握られていた。




『な、なんでそんなところに…?
屋根の上に載ったまま落ちてこなかったんじゃ…』


コ「先生も見てたでしょ?
普通のボールだと屋根の傾きで
勢いよく転がって地面に落ちて来るけど
このカプセルは傾けてもビー玉に蜂蜜が絡まって
なかなか転がらないようになってるんだ。」


「なのですぐに落ちて来たカラーボールと違って
このカプセルはゆっくり転がって雨樋の中に入り
そのまま雨樋の中を進んで雨水のように下に落ちて
雨樋の出口から出て来たってことですよ。」




そういえばさっきボールを投げた時に見たけど
雨樋の出口は小窓の近くにあったから…


外で見ていた高木刑事もしばらくしてから
雨樋の出口から出て来たと証言していた。




『あれ…?
でもなんでカラーボールまで投げる必要が…?』

「仙波さんは恐らくこの屋敷の塀の外からカプセルとカラーボールを投げたんでしょうけど
一緒に投げ入れたのは屋根に当たった時の音を誤魔化す為…
ボディーガードの人が音の原因を
カラーボールだと錯覚してくれれば
すぐにその場を立ち去ってくれるでしょうから。」




なるほど…江戸川くんと昴さんが
さっきボディーガードの人達に話を聞いてたのは
その音とカラーボールのことだったんだ。




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