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《降谷夢》bonheur {R15}

第74章 残像




諸伏警部が落下した場所に辿り着くと
みんなは割れた氷の穴の周りを懸命に探していた。




『この雪の下ってまさか…!!』

上「えぇ…、凍った川よ…」

毛「!!流されたのか…!!」





足元の雪を靴で横に除けると
ガラスのような氷が顔を出した。




こんなに分厚い氷の下に、諸伏警部がいるの…?



早く助け出さなければ溺死…

もしくは、冷たい水に長時間浸かってしまうことで
凍死してしまう可能性もある…。





美「諸伏警部の無線GPSは!?」

大「っ、圏外だ…」

毛「くそ…っ、くそったれーーーー!!!!」



毛利さんの悲痛な叫びが雪山に虚しく響き
私達全員に絶望感が押し寄せる。




『っ、諸伏警部…』




何か…


何か居場所を特定する方法はないの…?




分厚い氷の下にいて、水の中にいるであろう諸伏警部に、私達の声が聞こえるはずもない……。






『声…、っ、そうだ…!!!
コナンくん!確か君、変声機みたいなの持ってたよね!?』

コ「う、うん…、持ってるけど…」

『拡声機能もついてたりする!?』

コ「!!ついてる…!ついてるよ!!」




私がやろうとしてくれているコナンくんは
蝶ネクタイを懐から取り出し
裏についているダイヤルを回した後
すぐ私に手渡してくれた。





『ありがとう…!!
皆さんは耳を塞いでて下さい!!』



そう告げた私は、大きく息を吸い
蝶ネクタイのマイクに向かって声を張り上げた。








『諸伏警部!!!!聞こえますかーー!?!?』





近くに私がいることを伝えたが
耳を澄ませてみても、返事は何も聞こえなかった。





『何でもいいから…、居場所教えて下さい!!!!
絶対…、絶対っ、助けますから!!!』

大・上「「っ……」」

『お願いです…!!!!諦めないで…!!』





私は必死に声掛けをしたが
それでもまだ、何の反応も感じられなかった。



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