第74章 残像

大「どうして高明が死んだって決めつけてんだ！！」

『っ、ぇ……』

大「どうしてアイツを探しもせず
もう諦めてるのかって聞いたんだ！！！！」






大和警部はそう怒鳴ると
私の胸ぐらを掴んでいた手を離し
崖下の方へと向かって行った。



彼の後を上原刑事と毛利さん、
高木くんと美和子ちゃんも追って行ったが
彼らは何度も私の方を振り返り、気にかけてくれているようだった。





私…何やってんだろう…





『私以外誰も…、諦めてないじゃない…』






大和警部に言われた言葉の意味が理解できた私は
一旦目を閉じて、深呼吸を繰り返した。





諸伏警部は、まだ死んだって決まった訳じゃない…

守れなかった、と後悔をするのは今じゃない…


過去の残像に縛られて…怯えて蹲ってる場合じゃない！！







『すぅー……、はぁー…』





大丈夫…。



もう私の大切な人が
目の前からいなくなることなんてない…。


…いや、絶対いなくなさせたりなんかしない！！





コ「…美緒さん、大丈夫？」

『もう大丈夫…、私達も行こう！』

コ「うん…！！」





…コナンくん、
いつも私のことを心配してくれてありがとう。


私が落ち着くまで
そばにいてくれてありがとう…。





…ちゃんと言葉にして伝えたかったけど
それはこの事件が全て解決してからにするね？





頼りになる小さな探偵さんに
何度も心の中で感謝しながら、私達はみんなの後を追い
諸伏警部がいる崖下へと向かった。