• テキストサイズ

《降谷夢》bonheur {R15}

第74章 残像




『また……わ、たしは……』





護りたい人を、守れなかったの……?



どうして…




どうして私はいつも……



人の命を守ることができないの…?






『はぁっ……、はぁっ…』






苦しい…





上手く呼吸が出来ない…。






それに…




怖い。






諸伏警部が崖下に落ちて、
彼が死んだ、と……


認めるのが…怖い……。








コ「美緒さん!!どうしたの!?」





雪道に座り込んだまま、
自分の両腕を掴んで、自身を抱き締めて震えていると
いつの間にかコナンくんが私のそばにいたが…



彼が何を言っているのか、私の耳には届いていなかった。




小「大和警部!!怪我は!?」

大「高明が…この下に!!」





嫌だ…



何も聞きたくない…



諸伏警部が死んだなんて…




そんなの……認めたくない…!!





『ごめっ…なさ………』

コ「っ、美緒さん…?」

『ごめん…なさ、い……、私の…せ、い…で…』






諸伏くん…、


お兄さんを守ってって頼んでくれたのに…



こんな事になって……ごめんなさい…。





零くん…



公安の協力者として長野に来たのに…


犯人を捕まえるどころか、また犠牲者を出して…




ごめんなさい…。





毛「おい小僧!!下に行くぞ!!」

コ「待って!!まだ美緒さんが…」






コナンくんの言葉を聞いたみんなは
私の元へ向かってきたようだけど…



今の私は、そんな事を気にしている余裕などなく
震える体を抱きしめながら、謝罪の言葉を何度も口にすることしかできなかった。






大「おいアンタ!何座りこんで…」

『っ、ごめん……なさ……、
諸伏警部を…助け、られなく、て……
ごめ…ん……っ、ごめん、なさい…』

大「…っ、ふざけてんじゃねぇぞ!?」

『っ、!!』

美「ちょっ、大和警部!?」

高「落ち着いて下さい!!」






大和警部の怒鳴り声が耳に入ってくると
私は彼の手によって胸ぐらを掴まれ、
無理矢理立ち上がらされていた。






/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp