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《降谷夢》bonheur {R15}

第74章 残像




『…あ、満席になっちゃったね。』

上「どうしましょう…、
すぐにもう一台車を呼びます。」

『いえ、私は彼らと下山しますから大丈夫です。』




私が目を向けたのは、高木くんと美和子ちゃん。





『2人も車で来てるんだよね?』

高「あ、はい。少し下ったところに停めてあります。」


『…ということなので、私は2人の車に乗ります。』


上「そうですか…、分かりました。
じゃあコナンくんはこっちの車に…」

コ「僕も美緒お姉さんと同じ車がいい!」

『え…』

毛「コラ!ガキ共は一緒の車に乗っていけ!」

コ「だって〜…、博士が乗ってるし
僕まで乗ったら窮屈なんだもん。
それに僕、美緒お姉さんと一緒にいたい!」





…絶対それ、本心じゃないよね。




嘘の適当な理由をペラペラと話しているコナンくんに呆れていると、毛利さんも私達と同行する、ということで話は纏まった。




『越智先生はどうされるんですか?』

越「私も近くに天文台の車が停めっぱなしなので
それで帰らないと。」

『そうですか…気をつけて下さいね?』

越「まだ朝霧も濃く、積雪も柔らかいので
皆さんも足元に気を付けて下山して下さい。」




にこやかに微笑みながらそう告げた越智先生は
ペコっと軽く頭を下げて去っていった。





高「じゃあ、我々も行きましょう。」




私と高木くん、美和子ちゃん、毛利さん、
そしてコナンくんの5人も歩き出し
濃い霧が立ち込めている山の中、
足元に注意しながら山道を下っていく。





『ねぇ美和子ちゃん、
結局犯人は見つからなかったんだよね?』

美「はい…、山へ続く道は封鎖したはずなのに
犯人はどうやって姿を消したんでしょう…」


『そうだよね…。
一晩中捜索してたみたいだけど、体は大丈夫?』


美「もちろん平気です。私タフですから!」




…それは知ってるけど
美和子ちゃんは相変わらずだなぁ。



全く疲労が見られない美和子ちゃんの体力に感心していると、樹林の少し先に断崖の麓が見えて…


そこには小さなお墓と
そのお墓に向かって手を合わせている、ガンケースを背負った人がいた。




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