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《降谷夢》bonheur {R15}

第73章 隻眼




それに、コナンくんが尋ねてきたのは
鮫谷警部が調べていた8年前の傷害事件と
10ヶ月前の雪崩事故について、だ。



その鮫谷警部が殺害された事件の捜査を風見に命じたのは、紛れもなく僕だからな。




「鮫谷警部が調べていたのは
長野県警の事件です…、あの少年も長野へ向かった、
だから力を借りようと思いました…。
情報を得る為、少年に盗聴器をつけるよう、
山梨県警の隠れ公安に依頼した次第です。」


「…そうか。」


「降谷さん…、自分は
かつてあなたがした事と同じ事をしようと思いました。
少年から連絡があったこと…ご迷惑でしたか?」


「ふっ…、いや、君の好きなように捜査すればいい。
…だが、」





風見がコナンくんの力を借りたい意思は理解できるが…

本当に聞きたいことは別にある。






「…なぜ、美緒も長野に向かわせたんだ?」

「!!!!え……そ、それは…」

「コナンくんとの電話を切る時に
彼女の声が聞こえてきたんだ。…風見、僕に黙って
美緒を協力者として動かすとは……いい度胸だな。」


「い、いえ…!!自分はただ……っ…」


「…どうした、理由を言えないのか?」





風見は僕の質問には答えず
電話口で戸惑っているのが安易に想像できる。

彼が僕に隠し事をするのは、今まで一度も無かったことだ。






「どうしても言う気がないのならいい。
君が非番の日を申請した書類…
受理出来ないようにしておこうかな?」


「なっ…!ふ、降谷さん…!!それは流石に…」


「あぁ…、確かその日は
沖野ヨーコのライブがある日だったな…
残念だが、ライブは諦めて…」


「っ、わ、分かりました…!話します、話しますから…」

「最初からそう言えばいいんだよ。」





…下手したら、風見からパワハラで訴えられる可能性もあるが、僕は美緒のこととなると、
なりふり構っていられない…、風見もそれをよく分かっているのか、正直に話す決断をしてくれたようだ。






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