第73章 隻眼
「ちょうど今、この移動観測車の説明をしていたんです。」
蘭「移動しながら天体観測ができるんですか?」
阿「というより、宇宙からの電波を受信しやすい場所へ行き、解析できる優れものなんじゃよ。」
『へぇ…!すごいですね〜!』
科学の進歩を目の当たりにしたことで
感心しながら声を上げて観測車を眺めた。
「それでは、この移動観測車の内部の説明をするよ。」
「「「はーい!!!」」」
その後、越智さんから説明を聞いた私たちは
黄色の巨大な移動台車に載せられたミリ派干渉計が、実際にレールの上を動き出すところを見学した。
歩「こんなおっきいアンテナが走るなんてすごいね!!」
元「先生、オレも動かしてぇ、やらせて!」
「そ、それは無理かなぁ…」
…だよね、車の免許すら持てない子供が
動かすなんて絶対無理。
苦笑いをしながら、周りの景色を見ていると
変わった形をした建物が視界に入った。
『越智さん、あっちの方にあるドーム型の建物は…?』
「あぁ、あれは空にレーザーを発射して
空に星を描く装置なんです。」
『空に星、かぁ…』
いつか零くんと…
夜空に散らばる沢山の星を見て
天体観測してみたいな…。
ぼーっとしながら妄想していると
阿笠博士が子供達にクイズを出し、正解した哀ちゃんが
星を描く手伝いをさせてもらえる事に決まり…
みんなでレーザー棟へ移動する際
コナンは立ち止まり、どこかへ走って行った。
『阿笠博士、コナンくんはどこへ…?』
「電話がかかってきたようじゃならら
通話できる場所に行ったんじゃよ。
今ここにいる場所は、携帯電話禁止エリアじゃからな。」
『そうですか…。迷子になるといけないので
私、コナンくんのそばに付いてますね。』
一応、私は彼のボディガードとしてここに来たわけだし…。
まぁ、コナンくんが誰と電話をしているのかが気になっただけなんだけどね。