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《降谷夢》bonheur {R15}

第73章 隻眼




?「あ、あのー…、何か?」

『…いえ、知り合いに似ていたので……、
失礼しました。』

?「…そうですか。じゃあ、失礼します。」





男性が立ち去る後ろ姿をじっと見つめていると
私のコートの先が下からクイッ、と引っ張られた。





コ「どうしたの美緒さん、
何かあった?」

『…ううん、なんでもないよ!!』





蘭ちゃんとコナンくんを極力不安にさせたくなかった私は、詳しいことは話さない事にした。



あの男性…


何だか昔の私と同じ匂いがした…


きっと警察関係者だろう。



そう考えると、コナンくんに仕掛けたのは恐らく盗聴器…

なぜそれを子供の彼に仕掛けのか、その理由は分からないけど、そんなものを仕掛けるなんて、警察関係者だったら…公安の人間としか思えない。






蘭「じゃあそろそろ行きましょうか。
みんな待ってますから。」


『うん…、そうだね。』




3人でタクシー乗り場に移動し
停まっていたタクシーに乗り込んだ。


蘭ちゃんは助手席に座り
行き先を運転手に告げ、私とコナンくんは後部座席に乗り込み、シートベルトを締めた。





コ「っ、…!!」



私と同じようにシートベルトを締め、ベルトの位置を下げる動作をしていたコナンくんは
上着の襟に指先が触れて……

その瞬間、いきなり顔を強張らせていたことから
盗聴器を仕掛けられた事に気付いたんだろう。






『…気づくの早いね、コナンくん。』

コ「!!まさか美緒さん…知ってたの…?」

『随分手際が良かったけど
敵意はなさそうだったから…、きっと大丈夫だよ。』

コ「そっ、か……。でも…なんで俺に…」




蘭ちゃんに聞こえないように
小声で会話を終えた私とコナンくん。


彼はその後も、タクシーに揺られながら
ずっと考え事をしてるようだったから
私は黙ったまま、窓から見える雪景色を眺めていた。




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