第17章 東京*
黒尾side
「じゃあ‥もしクロに何かされそうだったらすぐに連絡してね?」
花澄ちゃんにそう言いながらも俺の方を見ながら研磨が心配そうに話しかける
『うん?今日はたくさん遊んでくれてありがとうっ!また会おうね!』
研磨の心配の意味を何一つ理解していなそうな様子でふんわりと笑う
「うん‥またね」
まだ何か言いたげな研磨と別れて花澄ちゃんを家の中へ招き入れる
『お邪魔します!』
「はいはい‥今日は親が出掛けてるから気にせずにどうぞ〜」
『すみませんっ‥では失礼します‥』
後ろからちょこちょこと着いてくる
いまだ濡れたままの髪からシャンプーのいい香りがしてドキドキしてしまう
ていうか
まさか
あの花澄ちゃんと2人きり
身体はすでに熱を持つ
思ってもいないラッキーすぎるチャンスをモノにしないときっと次のチャンスはちょっとの間はやってこない
「服、乾かしとくからシャワーでも浴びてきたら?」
出来るだけ冷静を装いながら
花澄ちゃんが着れそうな着替えを箪笥から探し出す
『ええっ?!それはさすがにお世話になりすぎです‥』
「お世話になりすぎでいいんです〜」
『でもっ‥黒尾さんも濡れてるし‥先に入ってください‥』
「レディーファーストなんで」
戸惑う背中をぐいぐいと押してお風呂場まで連れて行く
「脱いだらそこのカゴの中入れててくれる?乾燥機かけとくから‥んで着替えは大きいかもだけどこれ着てね?あと‥」
シャンプーやトリートメント
一通りのことを伝えてお風呂場をでる
この
扉の向こうには今頃
濡れた服を脱いだ花澄ちゃんが‥
「‥やべぇな」
想像するだけで息切れしそうだわ
「部屋もどろ‥」
これ以上ここにいるとなんか色々我慢できなくなりそうで立ち上がる
と同時に聞こえてきた悲鳴
『ひゃあっ?!』
慌てて扉を開く
「どーした?!」
『く‥黒尾さんっ‥すみません‥お水がでてきて‥』
「っ!」
思わず勢いで開けてしまった扉
目の前には
何も身につけていない真っ白で綺麗すぎる身体