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【呪術廻戦】撫子に口付けを【短編集】

第19章 【宿儺/コミュお題夢】氷霜の契り




平安の世――それは、美の極致と醜悪な呪いが、表裏一体となって揺らめく時代であった。


貴族たちは几帳の奥で香を焚き、歌を詠み、優雅な宴に興じる。

その雅な調べの裏側では、人の負の感情から生まれた呪いが跋扈し、呪詛が飛び交う。



呪術全盛。



術師は互いの命を削り合い、薄氷を履むような日々を送っていた。

一瞬の油断が死に直結する。

それが、この時代を生きる者たちの現実だった。


藤原氏が政の頂に君臨し、その権勢は天をも衝く勢いであった。お抱えの呪術師も粒ぞろい。

藤原北家直属の五虚蔵、日月星進隊といった精鋭部隊や、安倍家や菅原家など名家の術師たちがしのぎを削り合う。




――しかし、その頂点を超越する存在がいた。



両面宿儺。


呪いの王と称される、史上最強の術師。

四本の腕、四つの目を持つ異形の容貌。

特定の勢力に属さず、己の快・不快のみで生きる、天災そのものであった。




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