第18章 呪術界の中心
最後のボタンを止め終えると、白くふわふわとしたブランケットを肩へとかけてくれる。
「寒いから温かくしてね」
グイッと両手を掴まれ勢い良く立ち上がれぼ、悟はそんな私を包み込むようにしてすっぽりと抱き締めると「捕まっててね」と耳元で小さく呟き両手を重ねた。
瞬きするよりも早く、あたり一面の景色が変わる。
「…うわぁ」
少しばかり冷たい風が頬を掠めるが、悟が抱きしめてくれているおかげで寒くはない。むしろ暖かくて安心する。
「星綺麗だねー!!少し近く見えるかも!」
周りには人工的な光はなく、暗闇と輝く星々が視界いっぱいに広がっていた。つまり私と悟は今、地上よりはるか上空に立っているのだ。
「今日は晴れてたから良く見えると思ったんだ」
地上から何百メートルの所にいるのかは分からないが、足元を見るに下の小さな光が五条家だろうか。あの敷地の広い五条本家だとは思えないほど遠くにある。
「真下見ると流石に怖い!悟絶対に離さないでね!!」
「離すわけないでしょ、流石の僕でもヒナが落っこちたらビビるから」
「悟は良く怖くないね、いつも平然と真下見てるもんね」
「まぁ自分の術式だしね、だってこれで落ちたら僕間抜けすぎない?」
「確かに〜高所恐怖症じゃなくて良かったね」