第18章 白虎のお里に行ってみよう
「今回のトラップには俺からサカキに協力を取り付けて、二つ返事で引き受けてもらったんだよ。」
「サカキさん、危ない目に合わせちゃいましたね。」
作戦が失敗してれば、サカキさんは巻き添え食ってた。最悪は禁固刑だったかもしれない。
「それでも『エニシの為になるなら』って言ってくれたよ。」
そっか…。
サカキさんらしいっていうか…。
「…お礼、言っておいてもらえますか?それと、ご心配おかけしましたって。」
そう言ったら、先生は優しく目を細めた。
「ん、言っとくよ。」
「話終わった〜?」
探索に行ってた双子と二匹。
双子は鼻を摘みながらばたばたと戻ってきた。
「本当にこんな所にあるの?」
「臭い煙が出てる以外何もないんだけど。」
二人は怪訝そうに私達を見る。
「こればっかりは探してみないと何ともね〜。それに、なんてったって白虎の棲家だもん。簡単には見つからないよ。」
「ま、根気強く探すしかないよ。」
私と先生が言うと、双子はぶすっとする。
「「じゃあ、一緒に探してよ。」」
「喋ってる暇ないよ。」
「こんな臭い所を、端から探さなきゃいけないんだから。」
余程、臭いがキツいらしい。
いつもよりご機嫌斜めだった。
ばたばたと煙を避けつつ走っていく双子を見て、やれやれと肩をすくめる。
「行きますか。」
「だね。」
さて、本腰入れて探すぞ〜。