第14章 ♪龍地洞ってどんなとこ?
「この…!」
ぐねぐねと全身揺らしだしたところで、ボフン!という音と共にいきなり外に出た。
………。
…何が起きたんでしょ?
って思いながら目をぱちくりさせてたら、すたっと誰かが頭上に飛び乗ってきた。
「…あなた、何してるの?」
「え…。」
…まさか、この声は…。
ギギギ、と言いそうな程ぎこちなく頭を上げると、そこにいたのはやっぱり大蛇丸。
「…な、んで…?」
今、どういう状況…?
いやいや、それよりも逃げなきゃいけない場面なことは間違いなし。
私は、しれっと滑り台よろしくしゅるしゅるっと降りると、脱兎の如く走り出す。
が…。
「ぐえっ。」
そうは問屋が卸さなかった。
お腹に蛇が巻き付き、あっという間に手も足もホールドされて身動きが取れなくなってしまう。
それと同時に、地震かと思うような地響きが辺り一面に広がった。
「今日こそぶっ殺してやる!!」
「相変わらずうるさい奴じゃのぅ。」
ドスン!!
ドカン!!
わぁ〜…こっわ…。
真下で巨大生物の戦闘を見る日が来るとは…。
ウルトラマンと怪獣の闘いが実際あったら、きっとこんな感じなんだろうなぁ…。
なんて現実逃避してたら、ぞくっとした悪寒を感じて、すぐそこに、ひゅるひゅるっと首だけ伸ばしてきた大蛇丸が見えた。
私は、怪力で瞬間的に肘鉄を二発打ち込む。すると、私を拘束していた蛇は呻きながら力を緩めた。
間一髪、私の首があったであろう場所にブスっと牙の刺さる音がする。
外れたことに気がついた大蛇丸はぎょろりと目玉をこちらに向けてきた。
前世、アニメで見てた時にさ、作者も何で大蛇丸をこんな気持ち悪い感じに描いたんだろうと思ってたんだけど、実際見て納得。
確かにそのまんまだわ。寧ろ上手に描けてるよねぇ。