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もう一度、を叶えるために。second

第10章 ルーツを探しに出かけましょ



「なんか…ごめんね…。」

エニシが申し訳なさそうに言うと、シュカはくすりと笑って首を振った。

「いいえ、これでいいんです。私達は役目を果たせたので。」

「そうです。銀雪花を悪用されることもなく、選んだ主の元に送り出せたんですから。」

ソウイチもそう加えると、二人は晴々とした笑顔で微笑み合った。

「話もいいけど、早いところ出ましょう。さっきの手練れが何処で待ち構えているか分からないし。」

「そうですね。鉢合わせしないに越したことはないですしね。」

メイと長十郎が促すと、一行は歩みを進め始める。

「これってもしかして、ずっと一本道になってるの?」

エニシが尋ねると、シュカは首を振る。

「いえ…。確か次の部屋に行く道だと思います。」

「次の部屋?抜け道じゃないの?」

「ここか…?」

先頭を行くカカシの目の前に、三畳程の円筒型の部屋が現れる。
薄暗くて全貌は見えないが、部屋全体に何かが描かれている。
シュカは入るなり、壁に手を当てて何かを探り始める。
少ししてぴたりと止まると、ブロックの一つを押し込み、中から何かを取り出した。
そして両手で包み込み、抱える様にして胸に抱き込んだ。

「皆さん、私に触れてください。万が一に備えて互いの手を掴んでいてください。」

「何?何するの?」

問いながらもエニシが素直に指示に従うと、釣られる様にして皆も動き出す。

「今から瞬間移動します。何処に出るかまでは分からないのですが…。」

シュカが少し不安そうに顔を曇らせると、エニシはあっけらかんと笑う。

「ここから出られるなら何処でも大丈夫だよ。まぁ、なんとかなるなる。」

「そうそう。外に出られれば何とでもなるから。」

「気楽にいきましょう。」

カカシと白が言うと、メイと長十郎も苦笑しながら頷いた。

「そうよ、これだけの人数で自信家もいるんだから。心配しないのよ。」

「メイさんの言う通りです。シュカさん、思い切ってお願いします。」

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