第10章 ルーツを探しに出かけましょ
「まぁ、先生がそう言うのなら。了解しました。」
その時、何かの物音をカカシの耳が拾う。
すると、次は大量の水の音を拾った。
「っ…!まさかっ…!!」
カカシは素早く走り出し、慌てて木製のドアを閉める。
次の瞬間…。
ドンっ!!!
大きな音がして、ドアの端部分から水がプシュプシュっと吹き出す。
「先生!!」
エニシは呼びかけると共にドアに手を当てると、岩で覆い始めた。
ざざざっという素早い動きに、カカシは慌ててドアから手を離す。
あっという間にドアはゴツゴツとした分厚い岩肌に覆われた。
「敵襲ってことですかね、これ。」
少し顔を引き攣らせたエニシがドアからそろりと離れる。
「だろうな。相手は水遁を使えるんだろう。」
「つまりは忍、それも中忍以上ですか。」
「複数の可能性は?」
ユリが問うと、カカシは目元を少し鋭くさせる。
「…エニシがさっき見た人影がそうだろう。お前が見た人影は二つじゃなかったか?」
「はい、二つしか追えなかったから二人以上だとは思いますけど…。」
カカシの問いにエニシは少し困惑しながら答えた。
「パラシュートが落ちた場所は足跡が二つ。それ以外は見当たらなかった。どちらも男だと思われる。一方は大柄だろう。足跡がデカそうだったからな。」
「まさか…。」
ユリはこの二つで、カカシと同じ人物を思い浮かべた。
「え、今ので誰か分かったの?」
「逆にエニシさんが思い当たらないのが不思議なんですが…。」
驚くエニシにユリは苦笑を返す。