* 忍のハート ✿ 番外編 *【ONE PIECE】
第29章 ◆ 助けたい君 ◆ 夢主視点 ◆ ④ ◆
シャンクス)「⋯すまなかったな」
静まり返った頃
シャンクスが口を開いた
目だけを向ければ
こっちを見ていなかったが
私に向けての言葉だろう
私は小さく息を吐いて口を開いた
「それは何の謝罪で?私は私のしたいようにしただけだもの。謝罪を受ける必要は無い。それに謝るのは私の方だわ。ごめんなさいね⋯最後の親子の時間を邪魔してしまった」
シャンクス)「いや、ルフィ以外でこの子の初めての友人だ。歓迎するさ」
「⋯なら私は帰るわ」
歓迎⋯ねぇ
まぁ、いい
私はみんなの所に帰ろうと思って立ち上がった時だ
シャンクス)「ちょっと待ってくれ」
立ち上がってお別れを言おうとしたら
先に口を開いたのはシャンクスだった
「ん?」
何事かと思って目を向ければ
今度は私に目を向けていた
これは警戒した方がよさそうな雰囲気だ
シャンクス)「少し聞きたい事があるんだ。お嬢さん」
「なに?私には聞きたい事も言いたい事もないんだけど」
シャンクス)「お嬢さんは何者だ?」
思っても無かった質問に
思わず眉間に皺が寄る
久しぶりのその言葉
「?⋯さっき言ったじゃん。海賊。それ以上でもそれ以下でもない」
ベックマン)「ここまで来て言い逃れする気か?」
「誰にでも言いたくない事ぐらいあるでしょ?あなたは初対面の人間になんでもかんでも話せるの?」
後ろから言われた言葉に思わず睨み返してしまった
「情報は武器になる。だから手の内を言いたくない。それに私はもう何者にもなるつもりはない。海賊以外興味無い」
シャンクス)「そうか⋯それは残念だ」
「思ってないくせに」
シャンクス)「そうでもないさ」
「⋯話は終わり?⋯それじゃ⋯さようなら」
私は1度だけウタちゃんに目を向けた
ほんと⋯友達になりたかった
私は目を伏せウタちゃんに背を向けてその場を離れた
今度は誰も引き止めなかった