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【名探偵コナン】sangría

第37章 ゼロの



その後、今回の爆発がサミットを狙ったテロなどであることを危惧し新たに警視庁に特別捜査本部が設置された。

サミット会場も別の場所へと変更となり、それに伴って会場警備を警視庁だけでなく警察庁、防衛省が合同で行いさらなる警備強化を図ることとなった。
もちろんこうなった以上、現場警備の指揮をこんな下っ端がやるわけにもいかず私はあっさりその任を降りることになったのだった。

その代わり、今度は特別捜査本部へと異動となり刑事部と合同で今回の爆発の原因究明に当たっている。






「鑑識作業の結果、現場から爆発物は見つかりませんでした。
国際会議場の1階には日本料亭があり、地下には爆発現場となった厨房が設置されています。そこから大量のガスが検出されました。よってガス爆発と断定していいと思います」


高木君が捜査会議で報告した。
それを聞いた会議室内は事故ではないかとざわめき始める。


「ちょっと待って、そのビルは完成したばかりよね。ガス漏れは考えにくいんじゃないの?」

「はい。実はこのガス管は最新型で、ネット上からガス栓を開け閉めすることも可能です」
「ですから、そのシステムに最初から不具合があった可能性があります」


高木君に補足するように佐藤が発言した。


「なるほど…。
確か点検は今日だったわよね?」

「はい。エッジ・オブ・オーシャンにネット環境が整うのが今日だったので、警視庁公安部による警備検査の後に点検予定でした」


となると、やはり今回は事故の可能性が高い。
サミットを狙ったテロならば、各国の要人が会場に集まる当日に決行しないと意味がないだろう。

その場の人間全員が事故であると確信したその時、会議室の扉がバンと開けられた。



「報告します!!」

「所属と名前を言え」

「警視庁公安部、風見裕也です」


顔に絆創膏やガーゼだらけの風見さんが、会議に割って入ってきた。
恐らくは、風見さんも例の爆発に巻き込まれたのだろう。その姿はとても痛々しい。
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