第31章 緋色の
それから数十分後、
無事復活した私は、赤井さんとコナンくんを目の前にリビングにて鎮座している。
ちなみに工藤先生は「私がいると気が散ってしまうだろうから、別の部屋にいるよ」とのこと。
お気遣い痛み入ります。
「……あの、なぜ赤井さんがここに?」
まずはそこからだ。
結局、沖矢さんの正体は赤井さんなのか。
先程まで別の場所にいたらしいのに、なぜ今工藤邸にいるのか。
「一昨日君にメールしただろう?話があるって」
「という事は、やっぱり沖矢さんの正体って……」
「俺だ」
言っちゃったよ。
元々これをネタに揺すろうと思ってたのに、全部おじゃんだ。
「赤井さんの死の真相は、さっき安室さんが言ってた通りだよ」
「という事は、赤井さんの死の偽造を企てたのも、さっきまでの事を計画したのも、もしかして全部コナンくん?」
「うん。そうだよ」
またまた言っちゃったよ。
君、それ自分がただの小学生じゃないって言っているようなもんだからね?
末恐ろしい子。
まぁ、全部分かってたけどさ。
「なぜ、そんな大事なことを私に教えるんです?
ついこの間まで一切何も教えてくれなかったのに」
「理由はいくつかあるが、まずは彼と同じで君が全て気付いていると思ったからだ。
確信を持った相手に対して欺き続けるのは難しい。
だから余計な詮索をされる前に自らその真実を明かしたというわだ。
ま、というのもボウヤの受け売りだがね」
「でも、安室さんには赤井さんが生きているという事しか伝えていませんよね?なぜ、私には沖矢さんの正体やその他諸々まで明かしたんですか?」
「それが2つ目の理由だ。
今、君の身は以前にも増して危険に晒されている」
「……『組織』ですか?」
「…やはりそこまで気付いていたか。
察しがいいのも考えものだな」
「はは、ありがとうございます。
で、その『組織』と私は一体どんな関係が?」
「君の身辺を少し調べさせてもらった。
……君の母親の旧姓は?」