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【名探偵コナン】sangría

第23章 中継



「なるほど…、ナタリーさんの部屋のカレンダーに書いてあった『DATE』は“デート”じゃなくて“伊達”。
つまりナタリーさんが、伊達の彼女だったって訳ね」

『うん。あれは、伊達刑事が泊まりに来た日の印だったんだ』

「言われてみれば、彼女がハーフなんだって伊達が言っていたわ」

『それに、その人が自殺した日もデートの約束をしていたみたいなんでしょ?
それがもし、伊達刑事と彼女がどこかへ出掛ける約束だとしたら、彼女は伊達刑事が交通事故で亡くなったと知らずに待ち続け、捨てられたと絶望し自ら命を絶ったのかもしれないよね』
『そ、そんな…』


「それで、高木くんは1年経ってやっとその事に気が付き、彼女の遺族にその事実を伝えに行ったと」

『そういえば高木くん、伊達さんから譲り受けた手帳に貼られたプリクラを見て涙ぐんでたらしいので、そのプリクラに写っていたのがナタリーさんで、先週事件の資料で顔を確認したとしたら有り得ますね』


ナタリーさんがご両親に、自分の彼の名がデートと紛らわしい“伊達”じゃなく警視庁の刑事の“ワタルさん”と伝えていたとしたら、この事件の全てに説明がいく。
ナタリーさんの遺族に、彼女のことで報告したいことがあるから会いたいと高木くんが連絡していたとしたら、彼女を捨てて自殺に追い込んだワタルという名の警視庁の刑事が、1年も経ってからノコノコ会いに来ると勘違いするのも頷ける。



「ただ、ナタリーさんのご両親は彼女の遺体を引取りに来る途中で交通事故で亡くなったんじゃなかった?」

『え、じゃあ彼女の遺体は誰が…?』
『確か、同じ英会話教室の年配の先生で、彼女の遺品もその人が。
あぁ、そういえば、彼女の遺体を引き渡した時にその先生が泣き崩れていたと、さっき所轄から報告があったわ。
同郷で、娘のように思っていたって』

「だったら、高木くんを拉致したのはその人で間違いないわね」

『うん。
彼女の遺品から携帯のメールを見て、彼女が高木刑事に捨てられて自殺したと思い込んじまったんだ』

「おーけー!ありがとう、コナンくん」



そうして私は、今話したことを松本管理官へ報告しに行った。
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