第72章 ★ 前夜祭 ★ ロー視点 ★ ② ★

離れた事に疑問を感じたのか
アヤが顔を上げて目が合った



そして俺の頬に手を伸ばしたから
またキスをするのかと思った



アヤの視線が口元を見ているようだったから







が…アヤの行動は違った








俺の頬を引っ張り出した




思わずアヤを睨むが
アヤは気付いておらずつまらなさそうな顔をしていた






ロー）「おい。何してる」

「え？あ、えーっと…あー…えへ」





笑って誤魔化そうとしたアヤの手を掴んで
俺の顔から離した






…キスかと思った事…少し悔しい






少し顔を伏せそんな事を考えていたら
アヤの小さな声が聞こえた





「…怒った？」





怒っただと？


俺はお前に弄ばれたんだ






俺は顔を上げアヤの顔を見たら
少し眉を下げ心配そうに見ていた



が、俺の顔を見てすぐ真顔になった






今自分でも悪い顔していると思う





「わー。これはまずいやつ」





アヤの言葉に猫はため息を付いた





嚇母）“僕見てられないから戻るね。おやすみ”

「あっ！待って嚇母！こら！」






アヤが必死に止めるも
猫はポンッと音と共に煙が出て消えて行った




ほぅ



アヤが海賊になった日を思い出した