第95章 ★ 出発・再会 ★ 夢主視点 ★ ① ★
この歌は…私にとって…思い出の歌
歌いながら立ち上がった
嚇母)“…アヤ…”
嚇母も何かを感じたのか静かに私の名を呼んだ
座った時に横に突き刺した薙刀を手に取れば
嚇母は左肩に乗ってきた
嚇母)“…お客さんだね”
「はぁ…せっかくこの世界に置いて行こうと思った歌なのに」
嚇母)“歌は持って行ってもいいんじゃない?”
「いや、この歌は置いて帰るよ。これはカカシに向けて…って言うか、この世界に向けての歌だからね」
嚇母)“…なら置いて帰った方がいいね”
薄笑いしながら言えば嚇母はそっと視線を逸らした
私は巻き物から2本の槍を出せば
嚇母は視線を戻して私の顔を見て首を傾げた
嚇母)“それも置いて行くの?”
「そうだね。これがあっちで役に立つとは思えないし」
嚇母)“別にそれは置いて行かなくていいんじゃない?”
「え?そう?…使えるかな?」
嚇母)“君はそれでいいと思うよ”
「ん?あ、嚇母、帽子…」
嚇母とそんな話をしていれば殺気が飛んできた
視線を向ければクナイが飛んできて避けるのに木から落ちた
背中から落ちれば案の定上から敵が私目掛けて飛んできた
「ふっ…この戦い方は久しぶりだな」
飛んできたクナイを避けて
木を蹴って空中で体勢を変え森の中を走る
木に飛び乗って木から木へと飛んで走れば追いかけてくる敵
嚇母)“知り合い?”
「そうだねー…この世界で私に恨みを持ってる奴は大勢いるだろうね」
私の答えに嚇母は眉を寄せ
追いかけてくる敵を睨むように視線を向けた
嚇母)“…でもあれは…”
嚇母は気付いたらしい