第92章 ☆ 説明前 ☆ ロー視点 ☆ ① ☆
「ふふっ」
アヤの小さな笑い声で目が覚めた
ゆっくり目を開け数回瞬きをして頭を覚醒させる
目の前にアヤの後頭部が見えて
その奥には俺の手で遊んでいるアヤの手
何しているんだ?と思っていれば
アヤは俺の手で自分の手を包んだり
手のひらのタトゥーを指でなぞったり
顔が見えないのが少し悔しい
でもアヤの楽しそうな雰囲気は分かって
アヤは何を思ったのか
俺の手を顔を近づけたから小さく笑い
手でアヤの両頬を指で挟むように掴んだ
「ふへ?」
アヤのとぼけた声が聞こえてそのまま俺に顔を向かせた
ロー)「…楽しそうだな」
「ほぉ、ほきへ…」
両頬を掴んでいるから喋れてなくて
驚いているアヤの顔に笑いそうになった
アヤはそんな俺に目を細めて小さく睨んできた
「う"ぅ…はにゃして」
ロー)「勝手に遊んでたのはお前だろ?今度は俺が遊ぶ」
「んー」
アヤは小さく唸って俺の手を掴んで離した
「遊んでないもん。大きくて綺麗な手だなって思っただけだもん」
ロー)「それがお前の中に入るんだぞ」
「おぅ…手の大きい人はエロいって言うもんね」
ロー)「…初めて聞いたぞ。そんな事」
「え?あ、あれ?指の長い人…だったかな?…あれ?」
ロー)「…」
アヤの言葉に2人して小さく首を傾げた