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音の溢れる世界でいつか【煉獄さん】【鬼滅の刃】

第6章 生きてこの先の刻を共に


ほとんど丸腰状態の自分が、たった一人で上弦ノ参相手に立ち向かえるはずがないことはわかっている。


せめて日輪刀がもっと軽くて私の動きを阻害しなければ。せめて私の身体がもっと力強くてしなやかな筋肉をつけることが出来れば。


考えても仕方がないようなことを、上弦ノ参を睨みつけながら考えずにはいられなかった。


「貴様、何度言えばわかるんだ!?俺はお前に興味がない!!俺と杏寿郎の邪魔をするな!!」


私が近づこうとすれば、何故か上弦ノ参は私との距離を開いていこうとする。


「…っ私とは戦う価値もないって言いたいわけ…ねっ!」


そういいながら右手に持っていた閃光玉を上弦ノ参に向けて放った。目を可能な限り薄くし、耳を塞ぎながら後方へ跳躍する私に対し


「お前のその爆弾のような攻撃は見切った!もういい加減に……っ!?!?」


飛び退き、攻撃を回避しようとした上弦ノ参の少し手前で 


ピカッ!……キィィィィィン


今日初めて使った閃光玉が弾け


「…っクソ…なんだ今のは!?目が…耳が…!?」


予期していなかった目をくらます光と、三半規管を直接刺激するような嫌な音に、上弦ノ参は目を瞑り、耳を抑えながらふらついている。


今だ!その隙に頸を…と本来であれば言いたいところではあるが、私の日輪刀は今炭治郎君のところにあるし、持っていたとしてもあの鬼の頸が私の腕力で切れるとも思えない。

上弦ノ参の側に転がっているクナイを回収するため、私は気づかれないように背後の方に回り込みサッと近づいた。


カチャリ 


クナイに手が届いたのと同時に


あ、不味いかも


左から聴こえて来た音に、上弦ノ参が振り回した腕が私に迫っていることに気が付いた。


…駄目だ。あんな拳、当たったら死んじゃう。でも…避けられそうにないや。


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