第18章 月嗤歌 ED Side A【☔️ ⇄ 主 *♟(激裏)】
止める間もなくしゅるりとリボンが解かれる。
隠したくて抗う指は彼のそれの下でびくともしなくて、
胸を満たす恥じらいが肌を灼くようだった。
「や、……そんなに、見ないで………っ!」
ぎゅっと瞼をとじていても、熱い視線が何も纏わぬ素肌のラインを辿っていくのを感じる。
はぁっと陶然のため息をついた後、その指が再度胸に伸びてくる。
先刻よりさらに強く胸を捏ねられて、びくびくとその身を震わせてしまうと、
すん、と彼女自身の甘い匂いを吸い込んだ彼が微笑う。
「本当に……まるで天女のようですね。清らかな貴女にこうしてこの手で触れているなんて、
………私達だけの秘密を共有しているようでどきどきしますよ」
ざらりざらりと首筋を舐められ、戯れを篭めた口調で囁かれる。
「ん、………んっ」
手の甲を唇にあてがい、必死に声を抑える。
それでも時折堪えきれぬ艶音が口をついて零れ落ちてしまい、その糖度に戸惑った。
「声を、聴かせては頂けないのですか」
胸を捏ねながら囁かれる。
びくりと震える我が身の浅ましさを呪ってしまいそうになりながら唇をひらいた。
「だ……って、恥ずかし、………ひぅっっ」
鎖骨の下部辺りを吸われる。
デコルテに咲いた紅いあかい所有印をみつめながら、その唇がふっと微笑に染まった。
「それでは根比べですね、私はもっと貴女の声を聴きたいので」
くすくすと微笑いながらその唇が降ってくる。
熱い吐息が素肌を滑り、指を唇にあてがったまま彼をみつめた。
「ぁ、……あと、付けな、………あぅっ」
ちゅ、………ちゅ、と首筋にキスをしながら、その掌が胸を捏ねる。
既に主張しきっていた乳首を摘まれて、
先刻までは淡い色合いだった「其れ」は紅くあかく染め上がっている。
仄かな燭台の灯りに照らされる苺色に、その瞳を覆う涙の膜がさらに厚くなった。