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訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】

第18章 月嗤歌 ED Side A【☔️ ⇄ 主 *♟(激裏)】


「ユーハン、………ユーハンッ」

手首を封じられているために、隠したくても隠せない。

その身を灼く恥じらいは、注がれる熱い視線に益々燃え上がる。



月灯りの下で晒す素肌はあまりに心許なくて、

俯いたままその身をくねらせると、ふたつの豊かなふくらみがふるりと惑わすように揺れた。



その仕草に誘われるように、デコルテに彼の顔が埋められる。



さらさらとした髪が素肌を撫でる感触に戸惑いながら、覆い被さる彼の指にその身を委ねる。



その唇が肌を吸うことを許して、胸元を滑る黒髪から仄かに桃の花の香油を感じた。



(私では、………あなたの支えにはなれないのかな)

かつてベリアンが伝えられた、彼の絶望の理由と経緯。

ふわりと薫るその芳香は、柔和で降り注ぐ陽光のように温かな、彼の内面を象徴しているかのよう。



あの夜の後悔と悲しみをありありと覚えているだけに、自分のことのように胸が軋む。



胸の痛みを抱えたまま、その甘く優しいその芳香に気を取られていると、

デコルテのふくらみを辿っていた唇が乳輪をかすめた。



「ひぁっっ」

強い刺激に思わず艶音が零れ落ちてしまい、慌てて唇をかむ。



舌で輪郭を辿られ、くぐもった声が漏れてしまい、

きゅっと歯列を閉じ合わせていると、その指が唇に触れた。



「噛んではいけません」

傷がついてしまいますから、と優しい手付きで顎に指をかけ、仄かに唇をひらかせる。



それでも恥ずかしいからと首を振ると、

その瞳のなかの情欲の炎がより烈しさを増した気がした。



すぅっとその瞳のなかのひかりが燻るような煌めきを携え、その唇が胸元に降ってくる。


柔らかな肌を吸い、幾重にも咲き誇る所有印を散らして、薄い唇が乳首を覆った。
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