第18章 月嗤歌 ED Side Ａ【☔️ ⇄ 主 ＊♟(激裏)】

｢そのような眼で見つめられたら、止められなくなります｣

耳を舐めながら告げられたそれに鼓動が跳ねる。

ドクドクとしたたかに脈打つ生者の証を感じながら、その唇に優しい弧を描いた。



｢止めないで。………私、あなたとこうしていられて、嬉しいの｣

熱に沈み込んだ瞳で見上げながら呟く。不意打ちのような反撃に彼は吐息を封じた。



｢嗚呼、全く……貴女は………！｣

咬みつくようなキスをされ、吐息さえも奪うように唇を喰みながら、

ふと胸を包み込む掌に込められた力が増していることに気づく。



先刻まで彼女を気遣って、

胸が寂しさに軋む程に優しい手付きだった掌にわずかに力が宿りはじめ、より強く胸を捏ねている。



それでも痛み与えぬよう細心の注意を払っていることが伺えるその手付きに、

胸の奥が痺れるような感覚を覚えた。


けれどその眉根は時折何かを堪えるように寄せられ、彼が全力で自分を抑え込んでいるのだと悟った。



｢ユーハン、………ユーハンッ｣

キスをねだると、すぐに重ねあわさる。



｢ん、………んんぅ、｣

ちゅるちゅると仄かな音を零しながら喰む唇に、胸のなかで幸福が滲んだ。



それは唇と唇を触れあわせ、互いの熱を交換し合うようなキスだった。



最初こそ戸惑って彼の舌から逃げ惑っていた舌先を、絡め取るような彼のそれに応えるように触れあう。

時折生じるかすかな唇の狭間から仄かな水音が零れた。




｢んぁ………っ｣

彼の胸にしがみつきながら、ただ互いの吐息を奪い合った。

胸を包んでいる掌が彼女の反応を確かめつつも、淫猥な手付きで捏ねている。