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訳アリ主と恋スル執事たち【あくねこ短編集】

第18章 月嗤歌 ED Side A【☔️ ⇄ 主 *♟(激裏)】


「ん、………ん、」

飽くことなく唇を重ね、

つたない仕草で絡め取るような彼の舌で応えはじめる頃、伸びてきた指がドレスの釦にふれる。



「っ………。」

思わず身を震わせた彼女を見下ろして、唇を解いたユーハンが囁く。



「優しく触れますから、………どうか怖がらないで」

額にキスを落とし、その指が釦を外していく。



顕になっていく肌が恥ずかしくて、

彼から視線を解いてしまうと、小ぶりな耳に唇がふれる。



「ひぁっっ」

仄かな音を立ててキスされたかと思えば、

ふぅっと熱い吐息を流し込まれ、くすぐったさにヴァリスは彼を見上げた。



「ユーハン、」

熱に霞みはじめた瞳を合わせれば、情欲の焔が宿った双眸と視線がかち合った。



「主様……。」

柔和で品行方正な普段の彼ならば絶対にみせることのない、

彼女を欲する心の奥が映っていて、

たまらなく愛しく感じるとともに、染みのように広がる思い。
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