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その傷を超えて【ヒプマイ夢】〘一二三夢〙

第3章 君が欲しくて




だから、ちょっと悪戯心に火が着いてしまった。

「何で?」

「な、んでって……」

ちゃんとの距離を、少しずつ詰めて行く。

「ちゃんが可愛いから、それは無理ー」

見る見る赤くなる顔とは裏腹に、眉間の皺は濃くなる。

「からかってます?」

「半分は」

赤くなりながら怒る彼女が凄く可愛くて、構いたくて仕方ない。

「伊弉冉さんは、意地悪です」

「一二三」

「え?」

「一二三って、呼んで欲しいなぁ。駄目?」

彼女と話してて気づいた事がある。

ちゃんは、意外と押しに弱い。

それに、押すと大抵の事は許してくれるようになって来ているはずだ。

「お願い」

「っ……ぅー……」

恥ずかしそうに悩みながら唸っている。可愛すぎる。

「ほらほら、恥ずかしがらずに言ってみ?」

言いそうになって口を閉じるを繰り返す可愛らしい唇に、俺は釘付けになる。

ゆっくり頬に触れて、唇を親指でなぞると、小さな体がビクリと震えた。

「一二三だよ」

「ひ……ふみ……」

消え入りそうな声で呟いて、俺を見る瞳が揺れた。

俺はゆっくり距離を縮めて行く。

「うん。もう一回」

「一二三……ンっ……」

今度はすんなり言葉が出て、その声に止まらなくなった。

静かな夜。二人だけの息遣いと、唇が触れる音。

「んっ……ぁ……ふっ……」

「ちゃんっ……んンっ、はっ……」

怖がらせないように、出来るだけ優しく口付けて、俺をしっかり植え付けて、意識させる。

早く俺に堕ちて来て。







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