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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第37章 姫の年越しシリーズ(2025年)・1月1日


分岐3・信長様

(第三者目線)

大広間では人の入れ替わりの合間に、秀吉が進捗を信長に知らせた。


秀吉「信長様、あと9名で終わります。
 おい、信長様がお疲れだ。次の者は早く御前へ」

大名「御意っ」


挨拶行事は三が日の午前中のみと決めているのだが、忠誠心を示すために元日に済ませようと多くの人間が安土にやってくる。

午前中のうちに受付を打ち切ったのだが、それでもこの時刻までかかっている。

昼を過ぎた頃から信長の機嫌が目に見えて悪くなり、御前に座った男達は新年のあいさつを怯えながらするという気の毒な状況となっていた。


家康「ねえ、いっそのこと9人同時にやったら?
 もう八つ時(15時)だよ。信長様はあの娘と初詣に行かなきゃいけないんじゃないの」


朝から同じ口上を聞き続けている家康や政宗はうんざりした表情だ。信長以外にも早く終われと思っている人間は1人ではない。

そんなことは出来ないと言う秀吉も手元のリストを見ながら大きな息を吐いた。

また1人挨拶が終わり、入れ替わりの時間になった。

その場に居る者達が無為に過ごしていると…


「休憩……?だよね」


客が出入りする襖とは別の襖が開き、そこから舞がヒョイと顔を出した。

悪い空気が停滞していた広間に気の抜けた風が流れ込み、武将達のうんざり顔がくつろいだものになった。


秀吉「っ、舞。悪いな、もうすぐ終わるからな」

「気にしてないよ、秀吉さん。
 朝から疲れたでしょう?豆乳プリンっていう甘味を作ってきたの。
 火を借りたけど包丁は使ってないから安心してね」


茶わん蒸しに使われる蓋つきの器が、熱い茶と一緒に配られたところで次の客が御前についた。

聞いたこともない甘味を配られ、いざという時にお預けをくった面々が肩を落とした。

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