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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第34章 呪いの器(三成君)


だからといって500年後の知識を持っている私が100%呪いを信じるかと言えばそうでもなく、すぐには判断がつかなかった。


(これは科学と非科学を五分五分で見た方が良いのかな。
 佐助君に知らせて科学的に証明できるか聞いてみるとして…)


急ぎ越後に文を送って、すぐに返事を書いてくれたとしても1週間弱かかる。

調査は信長様達に任せるしかないし、その間私には何ができるだろう。


(千代姫は荷物に簪が紛れ込んでいたって言ってた。
 てことは誰が紛れ込ませたの?)


ひとつの疑問が浮かび、記憶を頼りに手がかりを探した。

このまま信長様に『千代姫じゃない』と100回言ったところで聞き入れてもらえないから。


(何か根拠のあることを言わないと。
 何かあるはずよ。ええと……)


この簪について千代姫と語ったのはあの日だけだ。

呪いの簪を千代姫の荷物に紛れ込ませた人物について、彼女の交友関係に関する会話を手繰り寄せる。


光秀「では今より謀反も視野に千代姫と大名の周辺を洗いにかかります」

「そのことですが、お伝えしたいことがあります!」

信長「なんだ」

「調査の際、千代姫のお義母様をよく調べて欲しいのです。
 千代姫はお義母様とうまく関係が築けないと悩んでいるご様子でした。
 話を聞くと関係を築けないという段階の話ではなく、一方的に毛嫌いされて嫌がらせを受けているようでした。
 千代姫は『いつの間にか簪が荷物に紛れ込んでいた』と言っていたので、考えたくないのですがお義母様が仕組んだ可能性もあります」


私の進言に二人はそれぞれ考える素振りをみせた。

ひとまず一考の余地ありと受け取ってくれたらしいが、一歩間違えば容赦ないことをする二人に、まだ気を緩められない。


信長「確かあの大名は前妻を病で亡くし、側室だった女を正妻に置いたと言っていたな」

光秀「ええ。そうでしたね。政略的な理由で置いた側室だったそうですが、側室との間にも娘が1人いたはずです」


一大名の家族構成を信長様と光秀様は記憶しているらしく、私は感心しながら頷いた。


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