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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第34章 呪いの器(三成君)


信長「退屈で死にそうな休日だな」

「身体に負担をかけないようにしていると考えていただけないでしょうか」


少々ムカっときて口答えしてしまった。

私だって好き好んでだらしなく過ごしているんじゃない。

元気だった頃は三成君のお仕事がはかどるように手伝う日もあれば、戦国ライフを楽しむために積極的に城下に出かけることもあった。ついこの間のことなのに遠く感じる。


信長「閉じこもっていては足が弱る。時に庭におりて日を浴びろ。
 女中と三成にも命じておく」

「それは大丈夫です。時々声をかけてくれますがお断りしているんです。
 日を浴びると良くない病もありますし、体調不良が毒によるものなら命を狙われている可能性もありますから」


警戒し過ぎと言われても原因不明の体調不良だ。

あらゆる可能性を視野に行動しようと、取った手段は『引きこもり』だ。


信長「穴倉で怯えるウサギでもあるまい。もっと人間らしく振る舞え。
 日を避けたいなら女中に傘をさせと命じれば良い。この城は厳戒態勢の上に、貴様に付けている護衛は普段俺についている腕利き達だ。襲われてもただ見ていれば片付くぞ」


本物の戦国姫なら当たり前に命じるんだろうけど、現代人が仮初めの姫をしているだけなので、たいした理由もないのに命令するのは気が引ける。


「その手間をかけさせたくないから引きこもっております」


優柔不断の私が断固とした態度で断ると、信長様が脇息をどかし不遜に笑った。


信長「では俺がウサギを暴くとしよう。
 他の者は手ぬるい」

「はい………?」


(ウサギって私の比喩だったよね、暴くってどんな方法で?
 そもそも暴かれるようなものはないし…)


手ぬるい=優しくしすぎ、という解釈で合っているなら信長様の追及は厳しいものになりそうだ。


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