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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第34章 呪いの器(三成君)


信長「ふん、世迷言を。
 貴様は体調がもどれば本を読み、簡単な繕(つくろ)い物をして過ごしていたそうではないか。
 半刻仕事をしただけで倒れるとは、どう考えてもおかしい」

「ですが部屋で繕っているのは簡単な物ですし、仕事ともなれば細やかな作業も……」

信長「違うな。針子仲間は病み上がりの姫を心配して、簡単な仕事しか与えていないと証言している」


(そう言われてみると倒れる前は布の裁断や、糸と布の在庫管理をしただけだ…)


信長様のところにそんな情報まで集約されているとは知らなかった。


「よくご存じなんですね。
 私としましてはこの時代で診断のつかない病に犯されているのではと心配しております」


医者でもない信長様に言ってもしょうがないのに、不安に疲れた心が不調の原因を知りたいと怯えていた。

病気なら病気、毒だったら毒。とにかく原因を知りたかった。


信長「病のことは知らん。だが養生すれば良くなり仕事をすれば悪くなる。
 食事は徹底されているとなると、貴様の行動に手がかりが潜んでいる可能性もある」


(容赦なくズバッと言い切るところが信長様らしい…っ!)


医療の分野はわからないとか、ほんの少し言い方を変える心遣いはない。


(知らないって突き放してるわけじゃないけど、なんて素っ気ない言い方…!)


落ち込みながらも指摘された行動について考える。


「私の行動に何か問題があるということですか?」

信長「今からそれを解明する。
 仕事に出る日の朝、貴様はまず何をする?」

「休日も仕事の日も変わらず顔を洗い…」

信長「休みの日と同じ行動は飛ばせ」

「でしたら化粧をして小袖に着替えます。あとしっかり髪を結います。
 休日はいつでも横になれるように髪は適当に結わえるだけでお化粧もしません。格好も寝間着のままですし」


そう言って続きを考えていたところ、信長様がフッと小さく吹き出した。


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