第34章 呪いの器(三成君)
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その日を境に、私は酷い頭痛と吐き気のせいで頻繁に倒れるようになった。
家康の診察では原因がわからず、セカンド、サードオピニオン的に他のお医者様に診てもらったけれどやっぱり原因不明とのことだった。
信長「貴様、以前から体が弱かったのか?」
「いいえ。以前は病気知らずの健康体でした。
こんなに体調不良が長引いたことはありませんでした」
(また倒れちゃったな…)
今回は体調が回復してから更に数日あけてから仕事復帰した。
ところがたいして時間がたたないうちに立っていられないほどの頭痛に襲われ、動悸まで起こした。
これで私室に救急搬送されたのは3度目になる。
静観のかまえだった信長様も3度目ともなると気になったようで、夕餉が済んだ時分にお見舞いにきてくれた。
でも信長様が発する威圧オーラに恐縮しきって正座しているのが現状で、見舞われている気分にならない。
(うぅ。信長様のオーラって無駄に凄いんだよ~。
落ち着かない)
「お忙しいのにありがとうございます。
少し休んだら良くなりましたので、今日のところはもう大丈夫です」
信長「そう言って何日かして倒れたと報告がくるのだろうな」
「う……」
否定できないどころか、その通りになりそうな予感に言葉が出てこない。
(この不調の原因って本当、何なんだろう)
いつまでたっても原因がわからないので周囲がピリピリするのもわかる。