第34章 呪いの器(三成君)
三成「これからの日々が何気ないものでも、戦が絶えず心身を削る日々でも、私達が積み重ねていく年月は誰にも歩めない唯一のものとなります。
かけがえのない道を舞様と生涯歩んでいきたいと、そう考えております」
(生涯って……)
三成君の真剣な気持ちを聞いてミノムシ武装を解除しようとしたけど…できなかった。
布団ごと抱きしめている腕が背中までしっかり回っていたからだ。
「ウー…、三成君、お布団から出たいんだけど」
顔を見てお話ししたい。
当たり前の要求を三成君は許してくれず布団に閉じ込められた。
三成「すみません…。ミノムシになっても可愛くて困っています」
(もしかして三成君、照れてる?)
仕方なしにミノムシのまま返事をした。
「私も三成君となら困難な道でも、どこまでも歩いていけるよ。
ずっと、ずっと一緒に歩いて行こうね」
三成「ええ、もちろんです」
ミノムシのまま三成君にすり寄った。もともとくっついていたので布団が少し動いただけだったけど、三成君はモソモソ動く私をしっかり掴まえてくれた。
そうして私達は交わした言葉を噛みしめるように、しばらくそのまま抱きあっていた。