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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第34章 呪いの器(三成君)


「家康様のおかげで落ち着きました」

家康「前から言おうと思っていたんだけど、敬語はいらない。
 舞だって安土の姫なんだからもっと偉そうにしたら?年も俺より上だ」

「根っからの庶民は偉そうにするとか無理です。
 年もあまり変わらないし、家康様の方がしっかりしています」


なんとなく同い年くらいかなと思っていたら私の方が年上らしい。知らなかった。

こんなにしっかりした年下がいるのかと我ながらちょっと情けない。


(でも偉ぶるのはムリだけど家康様とは親しくなりたいな)


敬語が嫌ならやめると言うと家康様はうなずいた。


家康「ついでに様もいらない」

「三成君が家康様って呼んでるのに呼び捨てにできないよ」

家康「あいつが呼び捨てしてきたら舌がしびれる薬を盛るかもね」

「なんで三成君にだけつれないのよ!」


部屋に二人分の笑い声が響き、ザーザーと降っている雨音が聞こえなくなるくらい笑ってしまった。

ひとしきり笑った後は嫌な気持ちもすっかり吹き飛んでいて、今なら逃げずに三成君と向き合える気がした。


「お礼にお手伝いをしたいんだけど何かない?
 雨もまだ強いし…」


断られないように雨を理由にすると家康が少し困ったように笑った。


家康「男の部屋に入り浸って、あんたって悪い女だね。
 三成の御殿に使いを出しておいたから迎えが来るまでここにいるといい」


いつのまにそんな手配をしてくれたのか。
家康にもう一度お礼を言って、薬作りの助手にしてもらった。


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