第20章 心配症
「さ、さとる…聞いてる?私はもう何処も痛くないし平気だよ?」
「うん、聞いてるよ〜でも僕ねすっごくリンのこと心配したんだよ?しかも今でもまだ少し不安なんだよね。だから僕の目で見て安心したいんだ、リンが無事だったってこと」
う…そう言われると…断れないよ…
いつの間にか早々とTシャツを脱いだ悟の上半身が露わになる。
そして何の躊躇もなくズボンと下着までも脱ぎ捨てる悟を見て、私の顔がボッと真っ赤に染まり、思わず唖然と悟を見つめてしまう。
いつも首元まで閉めた黒い服を着ているせいか、わりと細身に見える悟。だけど目の前のその身体は、何処からどう見ても綺麗に鍛え上げられた色気のある男性のガッチリとした体型だ。そして…何よりも…悟の下半身に目が行ってしまいそうになるのを慌ててバッと視線を逸らした。
「はーい、じゃあ次はリンが脱いでね〜」
そう言われながら「ばんざーい」なんて言われて脱がされていく私のTシャツ。
「悟!恥ずかしいよ!自分で出来るから…っ」
「えー、じゃあ僕先入ってるから早く来てね」
「う、うん。分かったから…早く行ってて!」
「ちなみにタオルとか付けてくるのなしだから!」
「分かったよ!」
悟の背中をグイグイと押してお風呂場へ入れると、勢い良く扉を閉めた。
一緒にお風呂って…どうしよう。生まれてこのかたそんな事異性とした事ないのに…しかもまだエ…エッチもしてないのに…こんな明るい所で裸になるなんて…
どうしよう恥ずかしすぎる。
お風呂場ではすでに身体を洗っているのか、悟がシャワーを浴びている音がする。
とりあえず私はゆっくりと服を脱ぐと、胸の前を両手で隠すようにしてお風呂場のドアを少しだけ開けた。