第20章 心配症
そのあとは少し硝子の所で休んでから、一緒に帰ると断固として聞かない悟と共に車へと乗り込む。
「悟、本当にもう帰っちゃって平気なの?」
「無問題!だって僕リンに会いたいがために7日の出張を4日で終わらせて、昼には東京着いてたのにさらに追加任務までこなして来たんだよ?これで文句言う奴いたら僕呪術師辞めちゃうよ?」
悟が呪術師辞めたら…本当世の中がとんでもない事になるのでは…
それにしても出張からの追加任務をこなすなんて本当に悟は激務だな。でもそれで東京にいたから私の所へすぐ来てくれたんだ。
だけど確か紫で一撃で終わらせてきたって言ってたけど…その任務先は平気だったんだろうか…今頃辺り一面チリになってとんでもない事になってないだろうか…そう思うものの、自分のために急いで来てくれた悟にそんな事言えるはずもなく…
「悟、駆けつけてくれてありがとうね」
「当然でしょ、僕は何処にいてもリンのところに飛んで行くって言ったでしょ」
それは悟が以前私に言ってくれた言葉。私にもっと頼って良いんだよと言ってくれた時の言葉だ。
本当だ。悟は本当に何処にいても、どんな時でも私のところへ飛んできてくれた。
「うん、悟の言う通りだね。本当に来てくれた」
小さく微笑む私に、悟もニイッと口角を上げ微笑む。
「これから何度同じ事が起きても、また僕は必ずリンのところへすぐに飛んでいくよ。だから心配しないで」
「うん、ありがとう。悟」
きっと悟は、本当にそうしてくれるんだろうな。
この先何が起きても、どんな事が起こっても、きっと私をすぐに見つけ出し助けてくれる。
きっとこれから先何度だって。私の手を引いてくれるんだろう。